will be will be

東京都世田谷区のデザイン・編集事務所、
willsnow-dfl(柳田寛之)のWebサイトです。

本年もよろしくお願い申し上げます

あけましておめでとうございます。

昨年中はいろいろな方々に大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

昨年はあまり大きな仕事には関わっておりませんでしたが、新たに社会人向けにデザインを教える機会が生まれ、今まではちょっと異なる新鮮な一年でした。本業だけではなかなか会えないようないろいろな方に出会う機会があり、今年はそれを本業への新たなフィードバックとして響かせることができるような新たな一年にできればと思います。そんなで、数年内に自分で小さなウェブメディア(Zineのような)でもやりたいなとか頭にぽやんと思い浮かべていますが、どうなることやら。

そして昨年末はこちらの更新があまりできていませんでしたが(いろいろと下書きレベルの記事はあるのですが、なかなかきちんとした形にする時間ができず…)、今年はより活発に書き込んでいければなと考えています。なのでこちらをたまたまご覧いただいた方、またぜひ訪れていただければ。

それでは、本年も当サイトおよび柳田寛之/willsnow-dflをよろしくお願い申し上げます。

苔テラリウムを作った

先日、近々引っ越しをする近所の友人から金魚鉢のようなガラス鉢を頂いた。めだかでも買うか?個別包装のお菓子でも入れるか?と思案していたが、テラリウムというのがあったなと思い出し、作ってみた。

苔といえばまあ、在住の団地の日陰などにいくらでも生えているものの、虫などの発生の可能性もあるので購入することにした。近所の島忠ホームズの園芸用品売り場を覗いてみたが、1種類の苔をかなりたくさんパックにしたものしかなかったので、まずはアマゾンで検索してみたところ、6種類ほどの苔をセットにしたちょうど良いものを発見、こちら(【テラリウム用 容器密閉型タイプ 苔 4パック】)を購入しようとしたが、同じお店(苔りあん)が楽天にもあったので、そちらで購入することにした。ちなみにヒノキゴケ、シノブゴケ、コツボゴケ、オオカサゴケ、コウノヤノマンネングサ、フジノマンネングサという6種のセット。

注文後4日ほどで到着、やや待たされたものの苔の状態も良好で、心配だった運送時の梱包の潰れなどもなかった。植え付ける面積は直径12cmほどだったが、こちらのセットの量で十分賄えた、というか3分の1ほど余ってしまった(その後残りはシダと一緒に盆栽などを作った)。

外仕事を終えて帰宅後、晩酌などをしながら、まずは土がわりのハイドロボール(ダイソーで購入した極小粒のもの)を敷き、部屋に飾ってあったどこかで拾ってきた石をアクセントとして配置し、その周りにピンセットやヘラを使って植え込んでいく。10cmほどの口が開いたガラス鉢だったので、そんなに難しくはないだろうと思ったが、片手で植え込んでいくのには思いのほか手間がかかった。グランドカバーのものは適当にちぎって配置し、上から軽く指で押さえて定着した。本当は指を使うのは良くないだろうと思うが、その後の経過を見るとそれによる傷みなどはないようだ。背の高い苔はピンセットで植え込んでいったが、植えた後にピンセットを開くとハイドロボールや周りの苔に引っかかってしまい、その扱いがなかなか大変だった。しかしなんとか1時間ほどで作業は終了した。配置はあまり深く考えず、何となく前景を低めに、後景を高めに、背のある苔を石を囲むように配置したが、後で写真を撮ってみるとなかなかいいバランスに見える気がする。

苔テラリウム。手前の目立つ苔はオオカサゴケ。後ろのミニチュア椰子の木のようなのがフジノマンネングサというらしい

定植後4日ほど経ったが、現在も写真とあまり変わらぬ状態でとりあえずほっとしている。またちょうどいいサイズのガラス器があれば、他の苔でも作ってみたい。

※外部リンクはサイト維持と取材費捻出のためにアフィリエイトリンクとなっている場合があります。気になる方はコピペで検索して下さい。

今日のオススメ

mmm – とんぼ/Tonbo

mmmの久々のアルバムぐりんぐりんが聞くごとにじわりと良かったので紹介したかったが、YouTubeには新譜ということもあり音が上がっていないので、昨年YouTube上で発表されたこの曲を。曲もアニメーションも素晴らしい、というかカッコ良い! ところでアルバム。お茶屋さんのレーベルからの発表ということもあって、苔の植え込みにもよく合う。

ゲルハルト・リヒター展/ライアン・ガンダー展

久々の投稿。先日、東京国立近代美術館のゲルハルト・リヒター展と東京オペラシティアートギャラリーのライアン・ガンダー展をハシゴしてきた。

ゲルハルト・リヒター展、音がない作品群なのに、作品の幾重も重なる層(それには絵具の層だけでなく、作品を透過する、あるいは作品そのものであるガラスや、作品を映し出す鏡なども含まれる)、複数の作品同士、観客の目の膜と、いくつものレイヤーが共鳴し、その響きが会場に漂っているかのようだった。

《鏡』という作品に映り込むいわゆる《カラーチャート》シリーズ(《4900の色彩》)

カラフルな作品群の中、唯一の映像作品でかつモノクロの作品《フィルム:フォルカー・ブラトケ》をぼうっと見ていると、不意にその中で動き回る人物以外の部分の「白さ」と大作《ビルケナウ》の元となる写真(リヒターの作品ではない)に写されたアウシュビッツ強制収容所内で焼かれようとしている死体の「白さ」が共鳴しているように感じ気づき驚く(最新作も白が多いドローイングだったが、リヒターにとって「白」は死の色なのだろうか)。

《ビルケナウ》(右)とその写真バージョン(左)が鏡(実はこれも《グレイの鏡》という作品)に写り込む。右奥の小さな額の作品がアウシュビッツの写真

東京国立近代美術館の常設展もここで見るのが初めての作品もあり、今回は久々に時間を掛けて見ることができた。見慣れたゲオルグ・バセリッツの逆さの自画像、シリアスなリヒターの後に見ると同じような境遇ながら、こんなに違う作品が生まれるのかとややほっとした気持ちになる。日本の近代作品もゆっくり見た。水越松南の絵はお初だと思うが、虎の絵がやばかった。水越松南、どこかでまとめて見たい。

水越松南《虎穴図》

近代美術館から最寄りの神保町に歩き、久々にまんてんでカツカレーを食べた後に初台へ。

東京オペラシティアートギャラリーでのライアン・ガンダー展、とにかく面白かった! 終始クスクスと笑いながら鑑賞。壁には作品キャプションがなく、ちょっとひねくれた紙の解説を読みながら作品に向かう。解説を読んだり、写真を撮ったりという、見ることに伴うある種の愚かさを鑑賞者自身が感じながら…リヒターは作品の中から見られているような気分だったが、ガンダーは作品を見ている私たちが遠くから眺められ、自分が作品になったような気分。

《編集は高くつくので》(セルフィー的な写真が続いてややお恥ずかしい)

同時開催のガンダーのキュレーションの常設展も面白い。これも作品と、その反対側の白い壁のキャプションを行ったり来たりという、かなりユーモラスな動きを鑑賞者に促す。これもある意味その反復的な動きを誘い出すことが作品と言わんばかりだった。

これはキュレーション作品のキャプション。この反対側の壁に実物の作品が並ぶ

ライアン・ガンダー展はすでに終了してしまったが、リヒター展は10月2日まで。ここまで大規模な回顧展はなかなかないので、未見の方はぜひお運びを…。

※外部リンクはサイト維持と取材費捻出のためにアフィリエイトリンクとなっている場合があります。気になる方はコピペで検索して下さい。

今日のオススメ

Nduduzo Makhathini – Unonkanyamba

この曲はアルバムIn the Spirit Of Ntuの1曲目。このアルバムはいろんな雑誌で今年のベストアルバムとして採り上げられるんだろうな。南アフリカのアーティストとして初めてBluenoteからデビューしたらしいけど、納得。アフリカ的なミニマルな反復に重なるモーダルな演奏が最高!

『日本の国会』(大山礼子・岩波新書)

久々に投稿。最近ブックオフ110円コーナーにてたまたま(またまた)買った大山礼子著『日本の国会』(岩波新書)が大変面白かった。 党派やそこに属する議員個人の資質・関係などのいわゆるベタな「政治的」視点から分析するのではなく、法的・制度的な側面から日本の国会の問題点を検討した一冊。

イギリス的な議院内閣制にアメリカの議会制度を接ぎ木して造られた日本の議会制度そのものの歪み、上院としての参議院(といわゆるねじれ国会)の役割の再検討、議会ではなく議会外での政治的な解決が重視される戦後国会の問題、それによって失われた委員会と本会議での議論の活性化についての考察が大変興味深かった。 もともと知っていることも多々あったものの、欧米の議会制度や日本の過去の議会制度の変遷も比較紹介しつつ、議論の流れに沿って日本の国会の仕組みについてコンパクトにまとめられており、『日本の国会』という総論的な書名が示すような基本書として読んでも役に立つのではと思った。

政治に関する制度を扱う本だと気になる人も多そうだが、党派的な偏りは極力排されているので(まあ歴史的に政権を担った政党・それに対した野党への批判は所々あるが)、政治の仕組みに興味がある人なら立場に関わらず面白く読める本だと思う。目の前の政治状況だけでなく、より長いスパンから政治を見ることの重要さに改めて気付かされた。とはいっても、昨今のひどい政治状況、投票したくない政党ははっきりしているものの、どの政党が長期的な視野を持ったマニフェストを提出しているかの参考には大いになると思う。

著者も本自体ももっと話題になって良さそうなものだが、震災直前という発行のタイミングと、その後の政権交代が悪かったのだろうか。民主党下野後の状況、Brexit後の英議会の状況を増補反映したものも読みたいとも思うが、かといってこの本で指摘されている問題点が今や古くなったとも全く思えない。

※外部リンクはサイト維持と取材費捻出のためにアフィリエイトリンクとなっている場合があります。気になる方はコピペで検索して下さい。

今日のオススメ

Caetano Veloso – Trilhos Urbanos

最近この曲がよく頭の中に流れる。言わずもがなカエターノ・ヴェローゾの代表曲の一つ。NonsuchからのアルバムCaetano Velosoのバージョンがやはり良いなあ。この曲のカバーやってみたい。

本年があなたにとってよき年でありますように

明けて数日。様々な状況、明けてめでたい、とはいいがたい年ですが、前を向きすぎ来し方を忘れすぎず、されとて転ばぬように振り返りすぎず、よき年になればと祈ります。

本年もよろしくお願い致します。

willsnow-dfl 柳田寛之

一年の終わり

仕事部屋のクリスマスの飾り、まだ仕舞っていない

11月に投稿してからあっという間に12月、と思えばもう大晦日となってしまった。例年ならば実家(といっても川向いの川崎だが)に戻っているが、今年は親が基礎疾患持ちということで時期をずらすことにした。

午後、数日前の残り物の煮物やら冷凍庫に入れた炊き込み飯などで昼食を取ったら、心地よい日差しもあり眠気。今年は非常勤の大学のリモート授業にも使った仕事部屋兼リビングでブランケットを重ねてしばし横になる。年末に飛び込んだ驚くニュースもあり、眠りの中にそのまま置いておきたいことばかりだが多くを来年に持ち越す。目覚めてスマホのSNSを覗くと、東京の感染者が1300人というニュース。今日明日ぐらいに1000人超えかと考えていたらもっと上だった。しかし街の賑わいを見るとそんなもんだろうなあと驚きも大きくなく。

ここ数日は買ってからずっと棚に差したままだったキム・ゴードンの自伝(『GIRL IN A BAND キム・ゴードン自伝』)を読んでいる。離婚とソニックユース解散直後に書かれたものであり、過去の記憶を辿ろうとすると現在の感情や物の見方が絡みついてくる様子が率直に記されていて面白い。数日前に下高井戸シネマでケリー・ライカート監督の『ウェンディ&ルーシー』を見た。劇中リーマンショック後のアメリカ北部で犬を探しながら彷徨うミシェル・ウィリアムズは膝丈でカットしたパンツとチェックのシャツに青いパーカー姿だったが、ソニックユース結成前後、西海岸の中流育ちでNYの中で(ファッションについても)浮いている自分を気にするキム・ゴードンとなんだか繋がっているように見えた。

何かがさらに良くなる、という期待はもはや持てない年齢になってしまったが、目を逸らしていた矛盾が露わになり、何かが多少はましに、変わってくれることを祈るばかり。そして自分はといえば、やれることを確認し、今年すっかり崩れてしまった自分のペース感とタイム感を戻していかねば。

本年もお世話になりました。

今日のオススメ

話したくない – yukifurukawa

今年のベスト盤的な記事、ウェブなどでいくつか読んだけど、年々自分の聴いているものとずれていく。自分は日本の新譜だとこのアルバムをよく聴いた。フォークっぽいけど、ところどころにジョビンを思わせるようなメロディやハーモニーが出てくる。